赤ちゃんの病気や発熱、不安な時に読みたい 対処法と見守りのヒント
初めての子育てでは、予測できない出来事の一つひとつに戸惑いや不安を感じることがあるかと存じます。中でも、赤ちゃんが体調を崩したり、突然熱を出したりする時は、どのような対応をとれば良いのか、心配になる親御様は少なくありません。
しかし、こうした病気や発熱への対応は、事前に少し心構えをしておくことで、落ち着いて向き合うことができるようになります。また、看病を通して感じる大変さの中に、親子の成長や絆を感じる温かい瞬間を見出すこともできるはずです。
この記事では、初めて赤ちゃんの病気や発熱に直面した際に役立つ基本的な知識と、親御様の不安を少しでも和らげるためのヒントをお伝えいたします。完璧を目指す必要はありません。大切なのは、赤ちゃんのSOSに気づき、寄り添うこと、そしてご自身の心と体を労わることです。
まずは落ち着いて状況を確認しましょう
赤ちゃんがいつもと違う様子だったり、体が熱いと感じたりしたら、まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。焦りは判断を鈍らせることがありますので、深呼吸をして冷静になりましょう。
1. 体温を測る
脇の下で正確に体温を測ります。赤ちゃん用の体温計には様々なタイプがありますが、使い慣れたものを用意しておくと良いでしょう。体温だけでなく、機嫌や顔色、母乳やミルクの飲み具合、おしっこの量なども合わせて観察します。
2. 他の症状を確認する
発熱以外に、鼻水、咳、おう吐、下痢、発疹など、他に気になる症状がないか確認します。どのような症状が、いつから、どのくらい続いているのかを記録しておくと、受診の際に医師に伝えやすくなります。
家庭でできる基本的なケア
比較的機嫌が良く、水分もとれているようであれば、まずはご家庭で様子を見ることも可能です。ただし、自己判断が難しいと感じたら、迷わず専門家にご相談ください。
- 水分補給: 発熱時は脱水になりやすいため、母乳やミルク、湯冷ましなどでこまめに水分を補給しましょう。イオン飲料も活用できますが、医師や薬剤師に相談してから与えることをお勧めします。
- 休息と睡眠: 眠れる環境を整え、十分に休息させてあげましょう。無理に起こして食事や水分を与えようとせず、赤ちゃんのペースに合わせます。
- 快適な環境: 部屋の温度と湿度を適切に保ちましょう。一般的に、室温は20〜25℃、湿度は50〜60%が目安とされています。汗をかいたらこまめに着替えさせ、体を清潔に保つことも大切です。熱を下げるために厚着をさせすぎたり、逆に冷やしすぎたりしないよう注意が必要です。
- 食事: 離乳食が進んでいる場合は、消化の良いもの(おかゆ、うどん、すりつぶした野菜など)を少量ずつ与えます。無理に食べさせようとせず、水分補給を優先しましょう。
どんな時に受診すべきか
赤ちゃんの症状を見て、すぐに医療機関を受診すべきか迷うことも多いかと存じます。以下のような場合は、迷わずかかりつけ医や休日夜間診療所、救急病院などにご相談ください。
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合
- 38.5℃以上の高熱が続く場合(特にぐったりしている場合)
- 機嫌が悪く、あやしても泣きやまない
- 母乳やミルクを全く飲まない、または激しく吐いてしまう
- 呼吸が苦しそう、またはゼイゼイしている
- 顔色が悪く、唇が紫色になっている
- ぐったりして呼びかけへの反応が薄い
- けいれんを起こした
- おしっこが長時間(6時間以上など)出ていない
- 血便が出る
- その他、いつもと様子が明らかに違い、心配な場合
判断に迷う場合は、地域の「子ども医療電話相談」(#8000)や、かかりつけ医に電話で相談することも有効です。
親御さん自身の心と体を労わる
看病中は、赤ちゃんだけでなく親御さん自身も心身ともに疲労が蓄積しやすいものです。不安や疲れを感じるのは自然なことです。
- 一人で抱え込まない: パートナーや家族、地域の支援サービスなど、頼れる人がいれば積極的に助けを求めましょう。誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
- 休息をとる: 赤ちゃんが寝ている間に一緒に休むなど、可能な範囲で休息をとりましょう。
- 自分を責めない: 赤ちゃんが病気になったことを、ご自身のせいだと責める必要は全くありません。病気は誰にでも起こりうるものです。
看病を通して見出す子育ての喜び
大変な看病の時間も、赤ちゃんとの絆を深める貴重な機会となり得ます。熱でぐったりしている赤ちゃんを抱きしめたり、少し元気になった赤ちゃんの笑顔を見たりする瞬間は、親子の心が通い合う温かい時間です。
病気を乗り越えるたびに、赤ちゃんは少しずつ抵抗力をつけ、親御様は看病の経験を積み重ね、自信をつけていきます。困難な状況の中にも、こうした小さな成長や、親子が支え合って乗り越えたという達成感を見出すことが、子育ての喜びにつながっていくのではないでしょうか。
初めての赤ちゃんの病気や発熱は、誰にとっても不安な経験です。しかし、適切な知識と心構え、そして周囲のサポートがあれば、きっと乗り越えることができます。ご自身を大切にしながら、赤ちゃんとの時間を過ごしてください。