赤ちゃんの寝かしつけがつらいと感じたら 試したい優しいヒントと心が軽くなる考え方
初めての子育てでは、一つ一つのことに試行錯誤がつきものですが、中でも多くの方が難しさを感じるのが、赤ちゃんの寝かしつけではないでしょうか。なかなか寝てくれない、すぐに起きてしまうといった状況は、親御さんにとって心身の大きな負担となり得ます。
この時間は、親御さんだけでなく赤ちゃんにとっても大切な成長のひとときです。理想通りにいかないことに不安や焦りを感じることもあるかと思います。しかし、完璧を目指す必要はありません。ここでは、赤ちゃんの寝かしつけで試したい具体的なアプローチと、その時間を少しでも穏やかに過ごすための考え方をお伝えします。
赤ちゃんが寝るまでの道のり:なぜ難しいのでしょう
大人の睡眠と違い、赤ちゃんの睡眠はまだ未発達です。浅い眠り(レム睡眠)の割合が多く、ちょっとした刺激でも目が覚めやすい特徴があります。また、月齢によって必要な睡眠時間や寝るリズムも変化していきます。
「抱っこでしか寝ない」「おっぱい(ミルク)がないと寝ない」といった状況は、特定の入眠方法が習慣になっていることが一因です。これは決して悪いことではありませんが、親御さんの負担になっている場合は、少しずつ他の方法も取り入れてみることを検討しても良いでしょう。
試したい具体的な優しいアプローチ
ここでは、赤ちゃんも親御さんも穏やかな気持ちで取り組める寝かしつけのヒントをいくつかご紹介します。
1. 寝る前の環境を整える
赤ちゃんが安心して眠りにつけるよう、寝室の環境をチェックしてみましょう。 * 明るさ: 眠りを誘うホルモンであるメラトニンの分泌を促すため、寝る前は部屋を暗めにします。真っ暗が難しければ、常夜灯などを活用してください。 * 温度と湿度: 快適な睡眠には、室温が約20〜22℃、湿度が約50〜60%が目安とされています。季節に合わせて調整しましょう。 * 音: 静かすぎてもかえって物音が気になったり、逆にうるさすぎても落ち着きません。ホワイトノイズや穏やかなオルゴールなどを小さな音量で流すのが効果的な場合もあります。
2. 眠りのルーティンを作る
毎日同じ時間に同じ流れで寝る準備をすることで、「眠りの時間だ」ということを赤ちゃんに伝えます。 * 例えば、「お風呂→着替え→絵本読み聞かせ→授乳(またはミルク)→寝室へ」といった流れを固定してみましょう。 * ポイントは、毎日続けられる無理のないルーティンにすることです。決まった行動を繰り返すことで、赤ちゃんは安心感を得られます。
3. 抱っこや姿勢の工夫
抱っこでしか寝ない場合でも、少し工夫することで親御さんの負担を減らせることがあります。 * 座って抱っこする際は、太ももの上に赤ちゃんを乗せたり、抱き枕を使ったりして体を支えると楽になります。 * 縦抱きで背中をトントンする、横抱きで優しく揺らすなど、赤ちゃんが落ち着く姿勢や揺れ方を見つけてみましょう。
4. 安心できる声かけや歌
優しく語りかけたり、子守唄を歌ってあげたりすることは、赤ちゃんに安心感を与え、眠りを誘う効果があります。大きな声ではなく、穏やかなトーンで話しかけることが大切です。
5. 完全に寝かしつけず、眠い状態になったら置く練習
抱っこで完全に寝かしつけるのではなく、「うとうとしてきたな」というタイミングでベッドに置いてみる練習も有効です。最初はすぐに起きてしまうかもしれませんが、根気強く繰り返すことで、ベッドで眠りにつくことに慣れていく場合があります。
心が軽くなる考え方:完璧でなくても大丈夫
寝かしつけがうまくいかない時、「どうしてうちの子だけ」「私のやり方が悪いのかな」とご自身を責めてしまうことがあるかもしれません。しかし、決してご自身を責める必要はありません。
1. 「こうあるべき」を手放す
「〇時には寝るべき」「〇分で寝かしつけられるべき」といった理想を手放してみましょう。赤ちゃんの個性やその日の状況によって寝るまでの時間は変わります。大切なのは、親子の心が穏やかでいられることです。
2. 一人で抱え込まない
つらい時は、パートナーや家族、友人など、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になります。地域の相談窓口や専門家を頼ることも考えてみてください。一人で頑張りすぎなくて大丈夫です。
3. 短時間でも休息をとる
寝かしつけに時間がかかり、ご自身の睡眠時間が削られてしまうこともあるでしょう。可能であれば、赤ちゃんが寝ている間に少しでも横になる時間を作るなど、意識的に休息をとるように心がけてください。親御さんの心身の健康は、子育てにおいてとても大切です。
4. 成長の過程と捉える
寝かしつけに手がかかる時期も、一生続くわけではありません。お子さんが成長するにつれて、眠りのリズムも整ってきます。今この時の大変さも、成長の過程の一部として捉えてみましょう。
寝かしつけの時間に発見する小さな喜び
寝かしつけの時間は、もしかしたら一日の中で一番静かで、赤ちゃんとの距離が近くなる時間かもしれません。うまくいかずに苦労することも多いですが、眠りにつく前の一瞬の笑顔、抱っこした時の温もり、規則正しい寝息など、この時間だからこそ感じられる赤ちゃんの可愛らしさや成長の瞬間があるはずです。
困難の中に、親子の絆が深まる大切な時間があること。そこに「子育ての喜び」を見出せるかもしれません。
まとめ
赤ちゃんの寝かしつけは、多くの方が経験する課題です。ご紹介した具体的なヒントは、あくまで選択肢の一つとして、お子さんと親御さんにとって一番心地よい方法を見つけるための参考としていただければ幸いです。
そして何より大切なのは、一人で頑張りすぎず、ご自身の心も大切にすることです。寝かしつけを通して、親子の健やかな成長を応援しています。