初めての絵本の読み聞かせ いつから?何を選ぶ?親子の時間と成長を楽しむヒント
初めてのお子さんとの日々は、新しい発見と同時に、様々な情報や疑問に触れる連続かもしれません。「絵本の読み聞かせはいつから始めるのが良いのだろうか」「どんな絵本を選べば喜んでくれるだろうか」といった疑問をお持ちの親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
絵本の読み聞かせは、お子さんの成長を促す素晴らしい機会であると同時に、何より親子の温かいコミュニケーションの時間となります。難しく考える必要はありません。無理なく、そして親子で楽しみながら読み聞かせを取り入れるためのヒントをお伝えします。
いつから絵本の読み聞かせを始めるのが良いか
絵本の読み聞かせは、生まれて早い時期から始めることができます。正確に「この月齢から」という決まりはありません。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、親御さんの声や抑揚、リズムを聞くことで安心感を得たり、言葉のシャワーを浴びたりしています。視力が発達するにつれて、絵本の鮮やかな色や形に興味を示すようになります。
たとえお子さんが絵本の内容を理解していなくても、親御さんの温かい声を聞きながら、一緒に絵本を眺める時間は、親子の絆を深める貴重な触れ合いとなります。焦らず、親御さんのタイミングで、まずは短い時間から始めてみてください。
赤ちゃんの絵本はどのように選ぶか
たくさんの絵本がありすぎて、何を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。赤ちゃんの絵本選びのポイントをいくつかご紹介します。
- 視覚的な魅力: 生後間もない赤ちゃんは、視力が未発達なため、コントラストの強いものや、原色のはっきりした絵本に興味を持ちやすい傾向があります。月齢が進むにつれて、動物や食べ物など、具体的なものが描かれた絵本も楽しめるようになります。
- 聴覚的な魅力: リズムの良い繰り返しのある言葉や、擬音語・擬態語(わんわん、ごろごろなど)が多く使われている絵本は、赤ちゃんが音として楽しむことができます。親御さんの声の抑揚も加わり、心地よい時間となるでしょう。
- 触覚的な魅力: 布絵本や仕掛け絵本など、触ったりめくったりできる絵本は、赤ちゃんの五感を刺激し、好奇心を育てます。ただし、口に入れても安全な素材かどうかも考慮しましょう。
- 短い時間で読めるもの: 赤ちゃんの集中力は長く続きません。最初は数ページで読み終わる短い絵本から始めるのがおすすめです。
- 親御さんが楽しめるもの: 親御さんが「読んで楽しい」と感じる絵本を選ぶことも大切です。親御さんの楽しさは、必ずお子さんにも伝わります。
図書館を利用するのも良い方法です。様々な絵本を借りてみて、お子さんの反応を見ながら好みの絵本を探すことができます。
読み聞かせをより楽しむためのヒント
読み聞かせに特別な技術は必要ありません。リラックスして、親子の時間を楽しむことが最も重要です。
- お子さんの反応を見ながら: お子さんが絵本の特定のページや絵に興味を示したら、そこで少し立ち止まったり、関連する言葉をゆっくり話しかけたりしてみてください。無理に最後まで読もうとせず、お子さんのペースに合わせて構いません。
- 心地よい姿勢で: お子さんを抱っこしたり、膝の上に座らせたりと、お互いがリラックスできる体勢で読み聞かせをすると、安心感が増します。
- 様々な声や表情で: 登場人物になりきったり、声色を変えたり、表情豊かに読むと、お子さんは絵本の世界をより楽しめます。ただし、これも「こうしなければならない」というものではありません。いつもの優しい声で読むだけでも十分です。
- 毎日決まった時間に: 寝る前など、毎日短い時間でも絵本を読む習慣をつけると、お子さんにとって安心できる日課となります。しかし、難しければ、隙間時間や親子の気分が向いた時に読むだけでも全く問題ありません。
- 完璧を目指さない: お子さんが絵本に集中しない日があっても大丈夫です。絵本を投げたり破ったりすることもあるかもしれません。それはお子さんの成長の過程です。完璧な読み聞かせを目指すのではなく、「今日は絵本に触れる時間を持てたな」と気軽に考えてみてください。
読み聞かせがもたらす親子の成長と喜び
絵本の読み聞かせは、単に言葉や知識を教える時間ではありません。
親御さんの温かい声や肌の温もりを感じながら絵本を眺めることで、お子さんは安心感と幸福感を得ます。これは、親子の信頼関係を育む上で非常に大切です。言葉の発達や想像力、集中力を育むことにも繋がりますが、それ以上に、親子の心が通い合う、かけがえのない時間となります。
ページをめくる時の指の動き、絵をじっと見つめる瞳、言葉に反応して見せる笑顔。読み聞かせを通して見られるお子さんの小さな成長や反応の一つ一つが、子育ての中のささやかな、しかし確かな喜びとなって親御さんの心を温めてくれるはずです。
初めての絵本の読み聞かせは、親御さんにとってもお子さんにとっても、新しい世界への扉を開く優しい一歩となります。結果を焦らず、この絵本を通した触れ合いの時間を、どうぞ大切に楽しんでください。